肥満治療(自由診療)
当院では、肥満(BMI 25以上)に対して食事や運動により努力されるもなかなか体重減少が実現できない方、また四肢や体幹の痛みや心臓・肺疾患などのため運動に制限のある方のお手伝いをすべく、マンジャロによる肥満治療を自由診療として提供しております。
当院では、美容目的での痩身を希望される方の治療は行っておりません。従いまして、治療開始前に既にBMIが25未満である方の治療は原則としてお断りしております。
現時点では、生活習慣病やリウマチ膠原病疾患などで当院に通院中の患者様に限らせていただいております。
マンジャロとは
マンジャロ(商品名マンジャロ、一般名チルゼパチド)は、もともと2型糖尿病の治療薬(週1回皮下注射)として開発され、米国食品医薬品局(FDA)により2022年5月13日に、日本でも2022年9月26日に承認され、すでに多くの糖尿病患者さんに投与されています。さらに、その食欲抑制/体重減少効果から肥満治療薬としても注目され、米国ではFDAによりZepbound(ゼップバウンド)の商品名で肥満治療薬として2023年11月8日に効能追加承認を得ています(対象はBMI 30以上、あるいはBMI27以上で高血圧、脂質異常症、2型糖尿病、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、心血管疾患などの体重関連疾患を少なくとも1つ以上を持つ方)。
マンジャロはグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)とグルコース依存性インスリン分泌促進ポリペプチド(GIP)という2種類のホルモンの受容体に結合・活性化し、血糖レベルに応じてインスリン分泌を促すことで血糖コントロールを改善するとともに、食欲とカロリー摂取を抑制し体重減少効果も発揮します。これは、空腹と満腹のシグナルを制御する脳領域に影響を与え空腹感を減弱させ、また胃から腸への食物の移動を遅らせ満腹感を長きに渡って自覚させることが主たるメカニズムだと考えられています。また、直接脂肪を燃焼し減らすというメカニズムも寄与していると考えられています(Mol Metab 2018;18:3–14)。
実際、米国、日本、中国など9カ国が参加した肥満患者(平均体重104.8kg)を対象として行われた臨床試験(SURMOUNT-1)では、マンジャロ5mg, 10mg, 15mgによる治療により72週間後には体重がそれぞれ15.0%, 19.5%, 20.9%低下しました。右のグラフにありますように、効果は使用開始直後から見られています。また、低下した体重の主たる部分(4分の3)は脂肪でした。

N Engl J Med 2022;387:205-216より改編
マンジャロの副作用として最も頻度が高いのは、吐き気・嘔吐・下痢・便秘などの消化器症状であり、30%程度の患者さんが、特に治療開始初期に経験されます。また、マンジャロと同様にGLP-1受容体に作用する薬剤の副作用として、急性胆道系疾患(胆嚢炎、胆管炎など)のリスクが高まる(1.3~1.5倍)ことが報告されています。マンジャロはGLP-1のみでなくGIPというホルモンの受容体にも作用する世界初の薬であるため、その長期的安全性についてはまだデータの蓄積を待たねばなりません。
自由診療について
自由診療とは、公的な医療保険が適用されない医療技術や薬剤による治療のことであり、治療にかかる費用はすべて(10割)患者様のご負担になります。上述しましたように、マンジャロは米国ではZepbound(ゼップバウンド)の商品名で肥満治療薬として既に承認されていますが、日本では肥満治療薬としての承認がまだ得られていないため医療保険が適用されず、自由診療の対象となります。
当院として、マンジャロによる肥満治療を含めた自由診療への、患者様の誘導・勧誘は一切致しません。もしマンジャロによる肥満治療にご興味をお持ちでしたら、お気軽にお声かけください。以下に、当院での、マンジャロによる肥満治療に関する詳細を記載いたします。
当院におけるマンジャロによる肥満治療について
当院におけるマンジャロによる肥満治療は、肥満(BMI 25以上)に対して食事や運動により努力されるもなかなか体重減少が実現できない方、また四肢や体幹の痛みや心臓・肺疾患などのため運動に制限のある方のお手伝いを目的としており、美容目的での痩身を希望される方の治療は行っておりません。従いまして、治療開始前に既にBMIが25未満である方の治療は原則としてお断りしております。
また、治療によりBMIが25未満になった場合には、健康的なBMIを維持するのに必要な処方に限らせていただいております。また、治療自体による健康障害を避けるべく、治療開始前、および開始後定期的(最初の4本使用後、その後12本使用毎)な血液検査と診察を必須とさせていただきます(検査予定日から一定期間以内に他医療機関でされた検査結果をご共有いただくことで代わりとさせていただけます)。
初診時に以下を行います。
- 身体測定(身長、体重、腹囲)
- 問診
- 診察
- 血液検査(血算、HbA1c, 血糖、肝機能、腎機能、膵酵素)
初回処方は、安全性確認の必要があるため4本まで、2回目以降は臨床的に問題がなければ8本まで処方可能です。
最初の4本使用後、そして継続する場合は12本使用毎に、開始前と同じ血液検査を行います。検査予定日から一定期間以内に他医療機関でされた血液検査結果があれば、そちらを共有いただくことで当院での血液検査の代わりとさせていただけます。
初回は対面診療を基本としますが、2回目以降は血液検査を要さない場合はオンライン診療でも対応いたします。
費用
費用は以下となります。
- 初診料 3,000円(税込み)対面・オンライン共に
- 再診料 1,000円(税込み)対面・オンライン共に
- 検査料(血液検査、身長体重測定)4,800円(税込み)
- マンジャロ 2.5㎎アテオス(1本あたり)4,800円(税込み)
- マンジャロ 5㎎アテオス(1本あたり) 6,800円(税込み)
- マンジャロ 10㎎アテオス(1本あたり) 11,500円(税込み)
- 配送料(オンラインの場合)2,000円(税込み)
- 情報通信料(オンラインの場合)1,000円(税込み)
具体的な診療および費用の例
2.5㎎で十分な体重減少が図れる場合
(初回:対面)
初診料+検査料+マンジャロ2.5㎎アテオス2本処方
合計17,400円
(2回目:2週間後、オンライン)
再診料+マンジャロ2.5㎎アテオス2本処方+配送料+情報通信料
合計13,600円
(3回目:2週間後、対面)
再診料+検査料+マンジャロ2.5㎎アテオス4本処方
合計25,000円
(4回目:4週間後、オンライン)
再診料+マンジャロ2.5㎎アテオス4本処方+配送料+情報通信料
合計23,200円
(5回目:4週間後、オンライン)
再診料+マンジャロ2.5㎎アテオス4本処方+配送料+情報通信料
合計23,200円
(6回目:4週間後、対面)
再診料+検査料+マンジャロ2.5㎎アテオス4本処方
合計25,000円
2.5㎎で十分な体重減少が図れず、途中で5㎎に増量する場合
(初回:対面)
初診料+検査料+マンジャロ2.5㎎アテオス2本処方
合計17,400円
(2回目:2週間後、オンライン)
再診料+マンジャロ2.5㎎アテオス2本処方+配送料+情報通信料
合計13,600円
(3回目:2週間後、対面)
再診料+検査料+マンジャロ5㎎アテオス4本処方
合計33,000円
(4回目:4週間後、オンライン)
再診料+マンジャロ5㎎アテオス4本処方+配送料+情報通信料
合計31,200円
(5回目:4週間後、オンライン)
再診料+マンジャロ5㎎アテオス4本処方+配送料+情報通信料
合計31,200円
(6回目:4週間後、対面)
再診料+検査料+マンジャロ5㎎アテオス4本処方
合計33,000円